FC2ブログ

at/sbr

Disce quasi semper victurus, vive quasi cras moriturus.

× スポンサーサイト

-------- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. スポンサー広告
××××××××××××××××××××××××××××××

× マラソン大会とさくらんぼの味

2006-08-23 19:30

中学の時嫌な思い出を思い出すときに(というか、過去の嫌な思い出を時々ちくりちくりと思い返している私もどうかと思う)真っ先に思い出すのがマラソン大会だ。
マラソン、まらそん、MARA☆SON!!
なんという絶望的な響きだろう、☆なんて付けてみても全然可愛くない。

私たちの中学には、年に1回マラソン大会という悪魔のイベントがあって、そのイベントの1か月くらい前から体育の授業がすべてマラソンの練習になるという恐ろしいものだった。
私は運動音痴の代表みたいな人だったからこのイベントが凄く、物凄くきらいだった、そりゃーもう絶望的だった。
どのくらいこのマラソン大会というイベントが私を悩ませたかというと、ちょっと本気で登校拒否になりかけた、マジでマジで。

私は当然走るのは一番最後のグループ、メンバは私とアイちゃんと運動音痴仲間(嫌な仲間だ)のケイちゃん。
いつも「死ぬー、ヤベーおなか痛くなってきたー」なんて言いながら最後尾を走っていた。
や、正確には走っていなかった、限りなく徒歩に近い感じなのだけれど、気持だけはそれはもう一生懸命走っていた。
はっきりいって普通に歩いていた方が早かったと思うのだけれど、この『走ってる感じ』を見せないと凄く怒られたのだから仕方が無い。

私の通っている中学は地元でも特に田舎の方に位置してしたので、マラソンのコースもちょっと変わっていた。
まず学校を出て、田んぼのあぜ道を通り、牛小屋(正確には農家の人が1頭だけ飼っていたのだと思う)の脇を通り抜けて一般公道に出て、さらにサクランボ畑の中を通り抜けてやっと折り返し地点、また同じコースを戻ってくるというかなり変わったコースだった、凄くない?

毎回真面目に走っていた(というか走るふりをしてた)のだけれど、三年生になった頃どうしても嫌で嫌で耐えれなくなった私は「もうマラソンやだ!こんなのが毎月あるくらいならもう学校来ない!」と言い放った。
たぶん本気だったと思う、なんというか、あいつおっせー。的な視線に耐えきれなくなったのだと思う、ほら、私この頃からとっても自虐的だったからね。
そしたらアイちゃんが何のためらいもなく「じゃあサボろうよ」と言い放った。
「あ、いいね、そうしよそうしよー」ケイちゃんもめちゃめちゃ乗り気になっちゃってる。
あれ、私もしかして大事な友達を悪の道(←凄い言葉 笑)に誘い込んじゃってる?あれ?あれれ?
などとは思わずに素直に友達のその言葉がまさに天使の言葉に聞こえたのだ、やっぱ持つべきものは友達だよね、なんてね。

そして作戦を立てた、もちろんおバカな中学生3人が集まって立てた作戦なので全然大したことない作戦とも呼べないような作戦なのだけれども。

どうせ同じコース戻ってくるんだから途中で隠れてて戻ってきたらまた一番最後に合流すれば良いんじゃない?

いやバレルでしょ、フツーに、なんて思ってしまいそうだけどこの時はもうこのアイディアに誰も反対する人なんていなかった。
このまま走るくらいならみつかって怒られてもいいや、なんて思ったのしれないし、暑いし頭もパーだしで何の疑問も感じなかったのかもしれない。
むしろグッドアイデア!ケイちゃん!!ぐらいのものだ。(このアイデアはケイちゃんのものだったと思う、たしか)

そして私達は何の迷いもなく、むしろ「凄い、こういうのを冒険っていうんだ、私達は今学校というつまらない世界から解放されたんだ、イェー!」ぐらいの意気込みをみせてさくらんぼ畑にある小屋の陰に隠れた。

「アイちゃん今年サクランボ食べたー?」
「食べてない」
「ケイちゃんは?」
「私も・・てか去年も食べてないよ!さくらんぼ食べてー!!」

山形はサクランボの名産地なのだが、実際そこに住んでいる私達はほとんど食べない。
いくら名産品といっても、地元だから安く買えるということなんて全然無く、普通高いのだ。
だから晩御飯のあとにデザートでさくらんぼを食べれるなんて事はほとんど無かったし、すくなくとも私の家はそうだった。
もしかしたらウチは物凄く貧乏で、だから食べられないんじゃないかと本気で心配してしまった事もあったのだけれど、案外みんなの家もこんな感じなのだと思う。

「1っこくらい食べても平気だよね」
私達は顔を見合わせた。

そして私達は食べた。
食べたというか食べまくった、下品だけれども本当の事なのだからしかたがない。
木からもぎたてのさくらんぼは甘くてとても美味しかった。
1っこでなんか済むはずがない。
だって美味しかったんだもん、ごめんね、農家のおじさんおばさん。

私達は両手に持てるだけのさくらんぼを持って、3人で並んで座って空を見上げながら食べた。
「空っておっきいねー」とか「空青いねー」とかそんな普通の会話だったと思う、でも最高に楽しかった。
空はとてもきれいで、いつもは食べられないさくらんぼを両手にいっぱい食べてて、何より走らなくてもいいのだ、楽しくない訳がない。

そろそろ戻ろう、という事になってコースを見ると他の生徒が走っている他に大きな人影が見えた。
私たちがどうしようとかヤベーとかいう間もなくどんどん私たちの方に近づいてきた。
体育の顧問のT先生だった。

そして私達はこってり怒られた、そりゃーもー時間をかけてこれでもかというほど怒られた。
先生は学校の屋上からずっと見ていたらしい。
どうりでいつもマラソンの時居ない訳だ、先生素敵だよ。
放課後農家のおじさんにお詫びに行き、罰としてさくらんぼ畑の掃除をさせられた(もちろん先生の提案)
おじさんは「ほだなわざわざいいのにー」と笑ってくれてとても感じの良いおじさんだった、ちょっと仲良くなったりしてね。

私達はさくらんぼ畑のゴミ拾いを終え、3人で並んで帰った。
めちゃめちゃ怒られたけど、そんなの全然どうでも良かった。
私達は今日大嫌いなマラソンの授業を抜け出してさくらんぼを食べたのだ、落ち込んだりする理由などどこにも無かった。
なんかバカみたいなテンションで大騒ぎしながら帰ったような気がする。
私達にとっては、そのくらい素敵で最高の1日だったのだ。


高校生になってバイトをするようになってから、自分のお金でサクランボを買った事がある。
あまりにも我が家の食卓にサクランボが顔を出さないので、バイトで貯めたお金で買う事にしたのだ、というかすっごく食べたかったんだと思う。
近所のスーパーに行き、2番目に高いやつを買った、たしか8000円くらいだったと思う。
高校生の8000円と言ったらそれはもう大金なのである、びっくりするくらい大金なのだ、8000円もあったらマックに2週間くらい通える。
でも買ったのだ、えらい、私。
それで味はどうだったのかいうと、美味しかった。
とっても美味しかったのだけれど、どこかぼんやりした味だった。
いくら高いお金を出しても、いくら美味しくても、私達があの青空の下で食べた思い出の味には絶対に敵わないのだ。
あたりまえだ。


スポンサーサイト
  1. ポニーテールの頃(中学編)
  2. TB(0)
  3. CM(0)
××××××××××××××××××××××××××××××

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

× かいてるひと

kasuga koyori

Author:kasuga koyori

× 最近の記事+コメント

× トラックバックどぉもです

× クロスポインター

× ブロとも申請フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。