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Disce quasi semper victurus, vive quasi cras moriturus.

× しょっぱいドライブ/大道珠貴

2006-06-02 19:30

しょっぱいドライブ

現実は小説のように甘くも無く
そして汚れている
でもそれはただ
ただひたすら自分に素直なだけなのだ


『人間と人間関係を書ききった』と大絶賛され第128回芥川賞を受賞した【しょっぱいドライブ】
ストーリーは、34歳のミホと、へなちょこな老人九十九(つくも)さんが同棲するまでのお話。

この作者の大道さんが川賞を受賞した時に
『へぇそう、という感じ』
という素敵なコメントを残したというのを聞いて
うわー、そんな素敵な人がいるんだ・・
読んでみたいなーって思っていた作品です(不純な動機でごめんなさい)
いつの間にか単行本になっていたので、さっそく読んでみました。
ストーリーは特にドキドキも無く人の心の内側をひたすら描いた作品です。
最後に特に凄いことも起きませんし、とにかく淡々と主人公の心の内側を描いた作品。

普通に読めばね。

でもこれ・・すごいんです。。
特に文章。
この本の批評で『淡々と幼稚な文章が続いて純文学というより児童文学』というような文を見かけたことがあるですけど・・
私はこの文章だからこそ面白かったです。
逆に言うとこの文章じゃなきゃきっと面白くないんじゃないかなーって思いました。

たしかに物語としては、共感できないとか主人公の気持ちに感情移入出来なかったとか思う人も居るかもしれません。
でもですね、この作品はそんなの全然関係ない作品なんだと思います。
普段の生活の中で感じる人間のドロドロした部分や汚い部分や物凄く純情な部分がすべてつまっています。
もし、人間の思考すべてを文章化できる機械があるとすればこんな感じになるなかなーって(笑)
私は小説を読んでいて『面白い』ではなく『文字を感じるのが楽しい』って思えたのは始めてかもです。

と言っても、やっぱりすべての人にオススメ出来る本じゃ無いとおもいますけど
読んでみる価値はあると思いますv

ストーリーも私は結構好きだったなぁ。。
400円でこんな不思議な文学を体験できるなら安いと思うです。
夏に扇風機の前で麦茶を飲みながら読みたいと思った作品(笑)

※どうしてもしょっぱいドライブの文章が合わなかった人は、同時集録されている『タンポポと流星』を先に読んでみる事をオススメします。

芥川賞といえば、綿谷りささんの【蹴りたい背中】もまだ読んでないんですよねぇ・・
今度買って来てみよーっとv

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